――― 「DisGOONie」の第4弾公演!
まず始めに今のお気持ちを率直にお聞かせ願えますか?
SHOGO やっぱり、「嬉しい」ってことしかないですね。僕にとって西田さんは、「舞台の世界」に導いてくれた「恩師」だと今でも思ってますので。僕の初舞台が西田さんの現場※1で、それ以降、色々な舞台にお誘いいただいて、気づけば去年も・・その中には、西田さんの舞台『SSS』※2もありましたけど・・、4本くらい舞台に立たせてもらってたりして。
今年も、今回が2本目の舞台なんですけど、やっぱりこう・・、西田さんの座組に入ると、背筋が伸びるというか・・、他の人への「ダメ出し」だったり、色んな説明を受けてるのを聞いていて、「僕も一緒に吸収するぞ」っていう気持ちになるんです。何か、本当にね、僕にとって「勝負の場」であり、「成長を見せる場」なので、どこか自分も・・、まぁ僕、ワークショップ※3とか行かせてもらってないですけど(笑)、そこの「生徒」みたいな感覚も持ってるんですよね。
で、今回、(西田さんと)同じく初舞台をご一緒させてもらった「AND ENDLESS」のメンバーの方々も多くいて、更に「新しい仲間」とも出会いますので、この「DisGOONie」にまた参加できたのは、すごく嬉しいなと思ってます。
――― SHOGOさんの初舞台が、西田さんの現場だったとのことですが、その経緯や、そもそも舞台をやられるきっかけについてなどのお話をお聞かせいただけますか?
SHOGO 実は僕、元々小さい頃に、「ミュージカル子役になりたい」って思っていて、それが一番最初の「ステージに立ちたい」っていう夢だったんです。それがまあ、年齢を重ねる中、音楽と出会い、高校でバンドを組み、そして「175R」でCDデビューをするという流れで今まで来てたんですけど、ちょうど「175R」が活動休止した時に、西田さんの演出する舞台に出演のお誘いがあったんです。最初は、その話を持ってきてくれたキャスティングの方も、僕のイメージだとかバンドの持ってるパブリックイメージみたいなものを考えて、「多分、断られるだろうな」って感じで、僕をお誘いいただいたらしいんですけど(笑)。けど、僕にとってはまさかまさか、「175R」休んだ途端に、幼少期の夢を叶えられる機会があると思ってなかったので、もう二つ返事で「よろしくお願いします」と(笑)。ただ「右も左もわからないのでご迷惑をおかけするかも知れませんけど、やらせてください!」って(笑)。それがきっかけで、この「舞台の世界」に入ったんです。
――― 初舞台の感想、印象はいかがでしたか?
SHOGO 初舞台の感想としては、「とにかく感動」ですね。初舞台を踏んだ時は32(歳)くらいなんですけど、今まで自分が感じたことのない感動に出会ったというか・・、だから先にも後にも、「千秋楽で涙を流した」っていうのは、初舞台の『+GOLD FISH』の時だけなんですよ。あれは、気づいたらもうボロボロで。最後のカーテンコールで、涙止まらなくて。いい歳した、「175RのSHOGO」として生きてきた自分が、まさかここで、お客様の前で、涙を流すなんて、って(笑)。そういうのに自分でもびっくりしましたし、この歳になっても色んなことに挑戦させてもらえるという環境に本当に感謝しましたね。
――― 「ミュージシャンのSHOGOさん」の時と、「役者のSHOGOさん」の時とで、ご自身の中での違いなどあればお聞かせ下さい。
SHOGO そうですねぇ・・、長年バンドやってきてて、ある程度、全て分かっている状態でやる「175R」と、まだわからない部分が沢山ある「舞台の世界」とでは、やっぱり自分のスタンスも全然違うと思います。
舞台に立った時は、自分の・・、何て言うんだろうな?その、「素の自分」、「等身大の自分」を、背伸びせず見せればいい、見せたい、と思ってやってはいるんですけれど、・・「自然な自分」というか。
けど、ここ最近、西田さんの座組で去年と今年もやらせてもらって、役者を生業としている方々の演技を見ながら、「何か盗めるところはないかな」っていう自分がいるんです。なので今回、「もしかしたら、もっと新たな自分があるんじゃないか?」っていうのを今は感じ始めています。
――― 「音楽」と「舞台」とでそれぞれの面白さを感じてらっしゃるんですね?
SHOGO そうですね。だから僕の周りの人たちにもよく言われたんです、「また舞台やるんだ!?」って(笑)。で、気づいたら、そう言われるのが結構当たり前のような感じになっていったんですが、それがその内、「次、舞台いつ?」っていう風に変わってきて(笑)。
「楽しかったんだね」、「SHOGOって、舞台っていうのが、すごく楽しかったんだね!」って、今こうして舞台に立ち続けてるってことに驚かれますね(笑)。
――― 初舞台以降、「舞台の世界」でも、様々な現場でご活躍されているSHOGOさんですが、西田さんの現場と他の現場とで何か印象の違いなどはございますか?
SHOGO 西田さんは、本当に色んな所、細かい所まで気を使われる方なんで、それには今までもホント助けられてます。「役者」を本業とする方々に対してのものとは違って、僕が本来ミュージシャンであるという部分をちゃんと考えてくれて、・・こう、上手く導いてくれる演出家の方だな、っていうのはすごく思います。それは、舞台の世界に飛び込んで、他の演出家の方と一緒に舞台を何度か作ってきた今、よりすごく思うことですね。
稽古でも、和ませる所はホント和まして、ビシッと言う所はビシッと言うじゃないですか。そういうこととか見てても、やっぱり「演出家」って大変だと思うし、西田さんは「役者」としても出られるので、それを同時にやってて、そういうとこも含めて「切り替えのスイッチ、すごいなー」って(笑)。特に今回3本立てなので、稽古もハチャメチャなスケジュールじゃないですか。だから、「西田さんの頭の中、どうなってんだろうな?」と思って、プライベートで遊びに行ったり飲みに行ったりした時でも、どっか(西田さんを)観察している自分がいるかも知れないですね。自分と全然違う「世界」だったり、「才能」を持ってる方なので、やっぱり興味がありますね。
それに、西田さんの現場は規模がでかいので、千秋楽を迎えるまで、・・まぁ、僕らが分かるのは千秋楽を迎えるまでなんで、その後にも、色んなことがきっとあると思うんですけれど、やっぱり大変そうだな、って。規模がでかいから、色々やらなければならないことがある。それを「DisGOONie」では、西田さんの周りの仲間、・・「AND ENDLESS」だったりとか、ワークショップの生徒だったりとか・・、やっぱりそういう人たちが、西田さんを信じてついていってるっていうのが見ていてすごく分かるし、また、そういう方々が、西田さんがいかに演出しやすく、この舞台を円滑に進めて、素晴らしいものに出来るように、後ろでこう・・、キュっと支えているていう・・、やっぱりその姿っていうのは「美しい」ですよね。変な話、お金を払えば、色んな、それぞれの(担当分野の)会社っていうのがあるじゃないですか。餅は餅屋で。それとは違う、「仲間が一致団結した美しさ」みたいなものが西田さんの現場にはありますね。それはアンサンブルも含めて。やっぱりアンサンブルって舞台の中で、ものすごく重要じゃないですか。名前のない役だけれども、その方々がいるおかげで、僕らは舞台に立たせてもらって、台詞を持たせてもらってる。そういうのを、「舞台の世界」に来て、西田さんの現場に来て、色々気づかせてもらいました。
西田さんの現場ではそういう「美しさ」、そして公演が終わって、千秋楽が終わって、次にそれぞれが行く「儚さ」みたいなものをすごく感じますね。
――― 「ミュージシャンのSHOGOさん」も「作詞」をされていますが、同じように「言葉を書く西田さん」についてどのような印象をお持ちですか?
SHOGO いや、もうね、僕らの曲だったら、・・例えば3分なら3分の中で「物語」を創るじゃないですか。やっぱり西田さんが創る作品というのは、2時間、3時間あるので、やっぱりその中で紡いでいく言葉の表現だったりとか、まったくもう足元にも及ばないなと思いますし、そういうのも含めて西田さんの頭の中を覗いてみたいというか、どういう気持ちでこの作品を書いたのか、っていう。だから僕、今回のこの3本の作品についても、「この作品は何歳の頃に描いたんですか?」とか、こっそり休憩中に「SHOGOインタビュー」を結構やってるんです(笑)。何か・・、「やっていたこと」だとか、「ルーツ」だとか、色んな「始まり」を聞いて、僕も演じたいっていうのがあって・・。
だから西田さんと出会って、去年の年末、「AND ENDLESS」の公演、『ENDorphin』※3も観に行ったんですけど、あの公演をやる頃に、ツイッターとかで「過去作品、遡って」っていうのをやっていたのが、僕にとってはすごく為になったし、面白かったし、・・佐久間さんが書いてた「この作品の時にこうだった」とか「ここで出会った」とかも。僕の全然知らない「過去」とか、そういうのを知りたくなる。人生生きていく中で、そう思える人ってそんなに多くないじゃないですか。「この人のこと、もっと知りたい」って。有名な人だったら、自伝本を読んだりとか出来ますけど、・・僕、元々自伝読むのとか、好きなので(笑)。だから、西田さんの、そういう「過去」を探ったり、「AND ENDLESS」にどういうサクセスストーリーがあったのかとか、そういうのもすごく興味があるんです。西田さんことが気になるから、西田さんの劇団も気になるというか・・、どういう経緯でここまで来たのか、この仲間たちがいかに色んな壁にぶちあたったりしてきたのかとか。そういう人に出会えたことを、すごくありがたいことだと思ってます。
だから、あの(『ENDorphin』の)時のパンフレット※4欲しいんですよ。結構、(中の記事で)遡ってるんですよね?僕、『ENDorphin』観て帰った時に「あ!買い忘れた!」と思って。劇団員の子に「欲しいんだけど」って言ったら、「じゃあ、今度持っていきます。」って、・・でもまだ貰えてないんですけど(笑)。昔のフライヤーとかも見たいんですよ。出来れば昔の台本、勿論その「物語」も、全部見たいです。
「20代前半の西田大輔」が何を思い、何を書いたのかとか、そういうのを思いながら、台本読んだり、演じたりすると、すごく楽しいんですよね。例えば、僕が20代前半に書いた『空に唄えば』っていう、「青春」がテーマになってる曲があるんですけど、あの時書いた『空に唄えば』は、今の「30代後半の自分」が書けない歌詞だと思いますし。あの「エネルギー」はもしかしたら、今は違う方、「青春」に対してはでは無い方に向いてるのかも知れないけど、「今の自分」が歌う・・、歌詞の解釈だったり、表現の仕方があると思ってて・・。そんなことを西田さんと話したら、それと同じように西田さんも、例えば今回の『GOOD-BYE JOURNEY』だったら『GOOD-BYE JOURNEY』に対して、そう思ってるらしいので、面白いですよね。僕は「音楽」でそう思うし、西田さんは一つの「舞台」に対してそう思っている、それはホント面白いな、と思っています。
――― SHOGOさんは、プライベートでも西田さんと仲がいいと伺っております。プライベートの西田さんについて何かお話をお聞かせいただけますか?
SHOGO 西田さん、やっぱり忙しいじゃないですか。忙しいんだけど・・、西田さん「洋服」とか好きなんですよ。ファッションが。で、僕も「洋服」とか好きなので、結構そういう話を西田さんとしつつ・・、僕が結構、洋服関係とか、アパレル関係の友人が多いので、紹介したり、一緒に展示会とかに行ったりして、その時の西田さんが「すげー楽しそうだな」って。
僕が思う、西田さんが「すげー楽しそうだな」っていう時って、「殺陣の振付してる時」なんですよ。その時の西田さんの顔って、もう、「子供に帰った」みたいな(笑)。僕は基本、「殺陣」やらないから、その(殺陣の振付してる)時は、じーっと西田さんを観察してるんですよ。「今日も楽しそうな時間来たな」みたいな(笑)。西田さんがニコニコしながら、・・こう、活き活きしている(笑)。
で、何かそれに近いというか・・、プライベートで自分の趣味を満喫している西田さんというのも、またそれはそれで楽しそうなんですよ。
後ね、結構ライブに来てくれたりとか。やっぱり西田さん忙しいから、人の舞台とかもあんまり観に行けないんでしょうけれども、僕の成長を観てもらう為に、お願いして、本当に小さな劇場とかにも観に来てもらったりして。で感想聞いたりとか。「他の演出家の舞台をで見に来る西田大輔」っていうのも「結構レアだな」と思いながら、すごく感謝しています。わざわざ時間を割いていただけるっていうのはすごくありがたいですね。
――― 貴重なお話ありがとうございます(笑)!それでは、ここからは今公演についてお伺いさせていただきたいのですが、SHOGOさんは『枯れるやまぁ のたりのたりとまほろばよ あぁ悲しかろ あぁ咲かしたろ』で「徳川家康」役、『GOOD-BYE JOURNEY』で、「パサド」役と伺いました。
稽古のお話なども含めて色々お話をお聞かせいただけますか?
SHOGO 今回、3本立ての中、2作品に出させていただけるっていうのは、凄く光栄なことで、ありがたいなと思っています。やっぱりそのどちらもが全然違うストーリーなので・・、『GOOD-BYE JOURNEY』の稽古に来たら『GOOD-BYE JOURNEY』で泣けて、「これ最高だな」って思うし、『枯れるやまぁ~』の稽古に来ると『枯れるやまぁ~』の演出だとかも面白かったりするから「これ最高だな」って思える。(笑)
だからきっと、3作品出られる良子さんとか賢志さんとか、それを3作品分思うわけで・・、それってすごくカロリーを消費するし、僕以上に大変だけど・・(笑)、やっぱり演じさせて貰う身からすると、幸せだなと思いますね。
――― 出来れば3本ご出演されたかったでしょうか(笑)?
SHOGO いやー、もう本当、迷惑かけたくないんで(笑)。2作品でもいっぱいいっぱいなんです(笑)。でも本当に2作品それぞれ面白いし、僕も色々楽しみながら稽古させてもらってますね。
『枯れるやまぁ~』は、「徳川家康」として、去年の『SSS』から10数年経ったお話で・・、時折・・、やっぱり、その・・、『SSS』を思い出して、グッときたりとか・・、泣いちゃいけないんだけど、何かその・・、ぽろっと泣きたくなるような時があったりするんですよ、やっぱり。今回、西田さんにも、あの時から10数年経った「大人としての家康」を、演出でアドバイスいただけるので、それを演らしてもらえるのは、嬉しいし、何か感慨深いんですよ。
『GOOD-BYE JOURNEY』の「パサド」(を演じるの)は初めてなんですけど、物語の中でも重要な役割だと思います。とにかく今回、文音ちゃんがすごいので!もう僕、途中から「ジャンヌ・ダルク」にしか見えない。見えないんですよ!だから、「ジャンヌと共に「春」を見る」と一致団結している兵士達と同じように、僕も、どこか「ジャンヌ」に心酔している所があるので、何かまともに文音ちゃんと喋れないっていうか(笑)。何かもう「ジャンヌ」なんですよ、僕の中で。それはすごく感じます!それは今までなかった経験かも知れないですね。今回の『GOOD-BYE JOURNEY』というお話が、特にそう思わせる作品ではあると思うんですけれど。何か・・、うん・・、普通に接することが出来ないくらい、気軽に声をかけれないくらい、彼女を「ジャンヌ・ダルク」として見てしまっているSHOGOがいますね(笑)。だから不思議と「パサド」として舞台上の方が喋りかけれるんです。「パサド」は喋りかけて良いから、気楽に(笑)。けど、やっぱり普段は「ジャンヌ・ダルク」として見ちゃって、もう喋りかけられない。台本もすごいと思うし、文音ちゃんの持ってる・・、「才能」だったりとか、「熱意」だったりとか・・、色んなものが作り出してるんだろうなぁ。うん、それはすごいと思います(笑)。
――― それでは最後の質問になるんですが・・。今回の企画のインタビューで、皆さんにお伺いした質問です。
もし、この「DisGOONie」の「船」を任されたとしたら。「DisGOONieの船長」になった時に、SHOGOさんだったら何をしますか?または何をしたいですか?
SHOGO いつものやつですね(笑)。そうですねぇ、僕はやっぱり「音楽」ではね、自分が先陣を切ってセンターに立って、ある意味、175Rもセルフプロデュースでやってる立場なので、「僕が引っ張っていく」と言いたい所ですけれども(笑)、やっぱり「舞台の世界」に入った時に感じた喜びっていうのは、自分がセンターではないんだけれども、みんなと共にひとつの物語を最高のものにしていくっていうことなので。「一つの歯車」になって、「その持ち場で輝く」っていう喜びを知っちゃったので。それがすごく楽しいんですよ!だから、もし「DisGOONie」を自分が引っ張るとしたら、やっぱりその中から1人、「ジャンヌ」のような、他に引っ張ることの出来る人を見つけて、その人を補佐するような・・、その人が出来ないことを全力でやって、後ろで支える人間になれればいいなと思ってますね。
何か「タイタニック」でいうと、船が沈没するんだけど、最後まで演奏をやめなかった音楽隊の方々いるじゃないですか。何かあんな感じで、最後までその「品」を失わせないというか・・周りに優雅な時を過ごしてもらいたいです。他の皆に輝いてもらいたいっていうか。ああいう、「美しさ」であり「儚さ」みたいなものを、後ろで補佐出来れば、って思いますね。
何か・・、とにかく泣けるんですよ。西田さんと、西田さんの周りの周りにいる人たちを見てると、何か。「友情」だけじゃ片付けられない、「人間力」とかなのか。洋二郎とか良子さんとか見てても、佐久間さん見てても、泣けるんですよ。きっとそこには色んなサクセスストーリーがあったりとか、色んな「想い」がきっとあるっていうのが見えるので。だから、今後もそれをどっかで見ていたいし、やっぱり僕も一緒にそれを感じていたいというか。それはすごく思いますね。
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