――― 「DisGOONie」の第4弾公演!いよいよ詳細が公開となりました。
まず始めに今のお気持ちを率直にお聞かせ願えますか?
中村 また西田さんと、舞台が出来るっていうのが率直に嬉しいですね!西田さんの現場って、いつもカンパニーがめっちゃ仲良くなるじゃないですか?仲良くもなるし、それでいて、やる時の集中力とかは半端ない。ただ楽しいだけじゃない。こんな雰囲気の現場は中々他ではないから、めちゃくちゃ勉強にもなります。やっぱりここに参加できるってのが本当に嬉しいですね。
――― 既に稽古も始まっておりますが、稽古場の雰囲気などはいかがでしょうか?
中村 やっぱりいいですね(笑)!刺激的な現場です。アンサンブルの子たちも含めて、全員が文句一つ言わず全力でやるじゃないですか?「部活」みたいな雰囲気なんですよね。飲み会で喧嘩する時もあるし・・、しかもそれで仲が悪くなるんじゃなくて、その後めっちゃ仲良くなるじゃないですか?何かそういうのがいいですね、「部活」みたいで(笑)。
――― 様々な現場でご活躍されている中村さんですが、西田さんの作品にも数多くご主演されていらっしゃいます。西田さんの現場と他の現場とで何か印象の違いなどはございますか?
中村 何か「DisGOONie」って、今まで出会ってきた人たちの「集合体」みたいな感じがあるんですよね、僕の中で。だけど、その上で西田さんが、またそれぞれの俳優の「新しい引き出し」を出そうとしてくれる所がとっても印象的ですね。ゼロからのスタートじゃなくて、今までの作品とか演じた役も加味した上で、「今回はこう行こうか」とか。そういうのが、僕だけじゃなくて皆にもあるから、稽古やってて「こいつ、こんな一面もあったんだ」とか驚かされることがいっぱいありますね。
で、僕、今まで本当に西田さんには、本当に引き出してもらってばっかだったんです。だから今回、「変わりたい」と思ってるんですよ。
――― 「変わりたい」。そのように思われたきっかけなどあれば、お聞かせいただけますか?
中村 ここ数年、僕も年齢を重ねてきて、他の現場では、共演の役者に結構質問されることが増えてきたんですよ。で、「自分のことだけじゃダメだな」って思うようになったんですね。自分のことだけを考えて、ただガムシャラにやってるだけじゃ。それまでは、例えば芝居で対峙してても、先輩(の役者)に引っ張ってもらってたんですけど、それもダメなんですよね、もう。僕の方から「影響を与える」ようになりたいな、って。「受ける」ことはいくらでも出来る、「与えられる」ようになりたい。まだ、上手くは出来てないんですけどね、自分の中で(笑)。「与えられるようになりたいなぁ」って(笑)。「仕事」なんで。
そんな風にここ数年、自分のことだけじゃないこともちょっと考えたりしながら、他の現場ではやってきてるんですけど、西田さんの現場では、やっぱりどこか悪い意味で甘えちゃうんですよ。僕、いつも西田さんの言葉に感銘を受けるんです。台本のト書きとか台詞とかもそうなんですけど、それ以上に「ダメ出し」というか、「演出の時の言葉」が一番泣けたり、感動したりするんですね。なので、何かこう「変わった」っていう所を見せたいな、っていうのがありますね。言われるがまま、演出されるがままじゃなくて、西田さんの「意図」を超えてみたいっていう願望。褒めてもらいたい(笑)。「誠ちゃん、そういうこと考えてたんだ!」とか(笑)。だから本当に今回いつも以上に考えてます。勿論、これまで全く考えてなかったわけじゃないんですけど。(笑)
「次のステップ」に行きたい、って感じです。僕が一番演出を受けてるのが西田さんなので、余計にそう思ってます。後、ここには、これまでに共演してる人もいっぱいいますし。以前、荻さん(萩野崇さん)と他の現場で一緒になった時に、すごく僕のことを褒めてくださったんです!それを西田さんの現場でも見せたい(笑)!。でも、その「想い」が空回りしないようにも気をつけてますけど(笑)。まずは自分に出来ることをやって、その上で・・そうですね、今回のテーマは「変わりたい」です。
――― 「変わりたい」という目標を掲げて臨んだ今回の稽古はいかがでしょうか?今までとの違いなどの実感は何かございますか?
中村 皆から「いつもと変わんないじゃないか」って言われました(笑)。
でも、僕の中ではちょっと違ってて。そうなんですよ。何か、演出で言われたことだけを、ただやるんじゃなくて、家に帰った時とかに、「西田さんは、何でそうやって思うんだろう?」とか、そういうことを考えるようになりました。今までは、演出されて「ああ、なるほどな」ってぐらいで、ただ言われたままにやってたんですけど、「何でそういう風に思ったのか」とか「こう思うと、こういう効果があるのか」とか、・・家で考える内容が変わったというか、・・言われたことをただ反復練習するよりは、その理由をとことん考えるようにはなりました。そこは今までとは違ってるんですよ。でも、まだ皆には「いつもと変わんない」って言われますけどね(笑)。
僕、「DisGOONie」だと「いじられキャラ」なんですけど(笑)、「スロースターター」なので。でも「いじられキャラ」だからこそ、きちんと態度で示そうかな、と(笑)。
――― 「いじられキャラ」なんですね(笑)。皆さんに愛されてる証拠だと思います!
中村さんは、西田さんの現場において、「殺陣」などでは以前から皆の「お手本」になられている印象がありますが・・。
中村 そこも、ちょっと「変わろう」と思ってます。西田さんの現場では、殺陣のことも、今まで自分から周りの人たちに言うことはあまり無かったんです。他の現場では結構言う方なんですけど。でも今回、気になったことは、周りにも言うようにしてるんですよ。例えば、避け方とかでも、「もっと、こうやった方がいいんじゃない?」、「こうやった方がカッコイイんじゃない?」とか、自分が分かる範囲のことは。メインキャスト、アンサンブル関係なく、気づいたことがあれば「ちょっと、ごめんね」って言って、しゃしゃり出て行こうかなって(笑)。これは今回意識的にやってます。
今までは、何かこうやっぱり・・「自分だけ良ければそれでいい」みたいな感じだったんですよ。皆、めっちゃ仲良くて、何回も共演してる間柄だからこそ「負けたくない」、「自分が勝ちたい」っていう気持ちが強すぎたんですよ。ですけど、今回はそれ以上に、とにかく「作品が良くなってほしい」っていうか。殺陣のこともそうじゃないですか?殺陣のクオリティが上がれば、作品のクオリティも上がるわけだし、そこは自分のことだけじゃなくて、皆を引っ張っていきたいな、っていう想いはありますね。
だから、今日も(田中)良子さんに、・・良子さん、めっちゃ大尊敬する先輩なんですけど・・、ホントおこがましいんですけど、「良子さん、すいません」って言って、・・良子さんのお芝居が大好きだから余計に言っちゃって、今日は(笑)。「良子さん、あそこ、すごくやりにくそうにやってるじゃないですか?」って言って、「僕、こうやった方がいいと思います。すいませんっ!」って(笑)。そしたら、良子さんすごく喜んでくれて、めっちゃ嬉しかったんですけど・・怖かった(笑)。
良子さんとは『RE-INCARNATION』シリーズ※1でも共演はあるんですけど、ほぼ絡んだことがないので、緊張するんですよ。良子さんが1番緊張します。良子さんの芝居が大好きだから、これをきっかけにちょっと距離を縮めていこうかなって。これ良子さんのこと好きみたいじゃないですか(笑)!そういう意味じゃなくて(笑)
――― 今公演での共演される田中良子さんのお話が出てきました所で、ここからは今公演についてお伺いさせていただきたいのですが、中村さんは『GOOD-BYE JOURNEY』で、「ジャンヌ・ダルク」を守る指揮官の1人、「ジル・ド・レ」役と伺いました。
今回演じる「ジル・ド・レ」についてお話をお聞かせいただけますか?
中村 「ジル・ド・レ」難しいです。何かめっちゃ難しいです。西田さんが言ってる言葉とかも本当の意味でまだ落とし込めてないし、全然、まだ全然。
西田さんも細やかなところが大事で、「難しいんだよ」って言ってるんですけど。本当に難しくて、ただの「かっこいいだけの男」になりそうで。それが難しいですね。まだ悩みながらやってます、ずっと。
家で考えてきた事やろうと思っても、途中でブレたりして。でも、なんか今は別にいいのかな。悩む時期だし。考えること止めたら多分終わっちゃうから、いっぱい悩もうかなって思ってます、本番開ける前まで。(笑)
最終的には自信を持ってやるようには絶対なると思うんですけど。
「ジル・ド・レ」は「かっこよくて分かりやすい役」だと思うんですけど、パッと見。でも、それだけじゃない、誰よりも国のことを考えてたりとか、それだけじゃないやつを物凄い考えてますね。
――― 実は今回のこの企画のインタビューで、伊阪達也さんは、「誠治郎さんに負けたくない(笑)!」と仰っておりました!中村さんから伊阪さんに対しては何かございますか(笑)?
中村 いや、ありがとうございます。そんな「負けたくない」って思われるのは嬉しいですね、単純に。まぁ、「眼中にない」ですけど(笑)。それは冗談で。
でも何か嬉しいですね。そうやって、認めてくれてるわけじゃないですか。それってすごい嬉しい(笑)。
――― 「ジル・ド・レ」役は、以前西田さんも演じられたことのある役ですね。実は、前回「DisGOONie」にご出演された時※2も、以前に西田さん演じた役をやられていらっしゃいました。
中村さんは、西田さんが過去に演じた役をやることが多いですが、それについてはいかかでしょうか?
中村 多いですね。もう4回くらい演じています。でも実は光栄に思っていて。自分の役を西田さんが託してくれてるっていう、勝手な想いもあります。でプレッシャーもめちゃめちゃありますよ。だって特に「アンドレ(AND ENDLESS)」人とか、昔の作品観てる人とか、比べたりするじゃないですか?やっぱり自分が書いてる本だし、自分の中で答えってあるわけじゃないですか、西田さんの中に。それと同じ風になりたくない。これは僕の味を出したいし、だから(西田さんが演じた時の映像などは)絶対見ないです。西田さんのやつはどっかで絶対真似しちゃうと思って。
だからこそ、いつかもう一度、『GARNET OPERA』※3がやりたいです。「信長役」をやりたい。
西田さんと初めてやった作品だし、なんか今思うと、まだ全然何も分かってない時にやったんで、今やったら絶対変わってる。あの作品が好きなんですよね。
――― いつもインタビューで中村さんに聞いてることなのですが、「西田さんに負けてない所」は?
中村 「殺陣」です(笑)。「殺陣」と「華」です(笑)。そこはもう、答え分かってるでしょう(笑)?
――― それでは最後の質問になるんですが・・。今回の企画のインタビューで、皆さんにお伺いしている質問です。
もし、この「DisGOONie」の「船」を任されたとしたら。「DisGOONieの船長」になった時に、中村さんだったら何をしますか?または何をしたいですか?
中村 何だろう・・?「野球」がしたいです(笑)。皆で「野球」(笑)。
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