Interview vol6 伊阪達也×DisGOONie ロングインタビュー

「今年一番のご褒美」

――― 「DisGOONie」の第4弾公演!いよいよ詳細が公開となりました。
まず始めに今のお気持ちを率直にお聞かせ願えますか?

伊阪  それはもう、「嬉しすぎて」お礼を言いたいですよ!
・・でも、不満もちょっとあって・・そもそも僕、「転校生」なんですよ・・。
西田さんと初めて会ったのは『戦国BASARA2』※1の時で、そこで他の、今回「DisGOONie」に出られる多くの役者さんたちとも出会ったんです。
その次に僕、『RE-INCARNATION RE-VIVAL』※2に出演させてもらったんですけど・・、『戦国BASARA』も『RE-INCARNATION』も、シリーズでやってる、元々あるカンパニーに後から参加させていただいてるわけです。だから僕、「転校生」なんですよ。
で、「DisGOONie」も、「出港します!」ってお祭り騒ぎやってましたよね!?※3僕、いなかったですよね?(笑)「またか・・」と思いましたよ。「なんで俺、一発目にいれないんだ?」と。そういう意味で、若干の不満はありながら、今回また「途中乗船」です。(笑)
でも、本当に嬉しくて。西田さんの台本でお芝居できるってことが、俺の「人生でいちばんの喜び」ですから。もう、どんな形でもいいんです。何役でもいいんです。「石ころ」でも「こんにゃく」の役でも参加させていただけるなら。(笑)だから今回、出演できるって聞いた時は、「今年一番のご褒美」だと思いました。

――― 今年、まだ前半ですが?(笑)

伊阪  はい。でも「一番のご褒美」です、俺の中では。
ただ「最初からは、いれなかった」ですけどね。それに関してだけは「怒り」もあります。(笑)

――― (笑)「転校生」と仰られましたが、元々あるカンパニーに後から参加する際に、苦労した点はありますか?

伊阪  『戦国BASARA』も『RE-INCARNATION』も、顔触れは結構同じですけど、それぞれ少しずつ空気感違うんですよ。『戦国BASARA』は荒々しい感じでしたけど、『RE-INCARNATION』は女優さんも多く、またちょっと違う感じでしたし。最初は僕も、その空気感の違いをちゃんと感じて、いわゆる「空気を読んで」いきます。皆さんと飲みに行ったりもして。でも、そこで僕の知らない話も出てくるじゃないですか?「前回はこうだった」とか。そうなると僕、なんか「ふ〜ん」ってなっちゃいます。皆に合わせて笑ってるんですけど、「なんだよ、知らない話すんじゃねーよ」みたいな(笑)
で、僕、よくここの(「DisGOONie」に数多く参加してる)人たちに、「達也は、生意気。すぐ噛み付く」みたいな言われ方されるんですよ!

――― 実は、そういった「達也さん評」も周りの方々から伺っておりました。(笑)
愛されていますね。

伊阪  でも自分ではそんなつもり全くないんですよ!・・でも、まあ確かに、稽古の時とかに「何でですか!?」みたいに、突っかかっちゃたこともありますけど・・(笑)。 でも今思えば、そうやって突っかかったのも、僕なりの「仲良くなりたい」っていう不器用なアプローチだったんですよ。「認めてもらいたい」っていう思いが強い反面、「舐められないように」って、どっかで戦って。僕なりにメチャクチャ必死だったんです。
それで稽古が終わって家に帰ってから泣いたりして・・。大人になって、なかなか無いですよ?稽古終わって家帰って泣くって。(笑)
で、西田さんはそういうの見て笑ってるだけですからね。ケタケタ。なんならちょっと仕掛けてくる。「噛み付き」を助長してきますから。(笑)

――― 様々なご苦労があったんですね。(笑)ですが、その苦労も経て、西田さんの作品には数多くご主演されていらっしゃいます。西田さんの現場に呼ばれる際の意気込みなどあればお聞かせ下さい。

伊阪  うーん・・、例えば、作品を創る時にはそれぞれ皆に「役割」があるじゃないですか?作品全体のことも考えるし、周りのことも考えるけど、各々がまずその「役割」の最低限の仕事をちゃんとやらなきゃいけない。そのプライドは、人一倍強いと思っています。「責任感」というか。そのシーンが作品の中でどのような意味合いなのか、どんな役割を果たしているのかを考えて、じゃあ、そのシーンの中での「俺の役割は何なのか」ってなった時に、俺はエネルギーを出すのが好きなので、「存在感あって、ドンと居たい」。それだけでシーンが成立する瞬間って、きっと少なからずあると思うんです。
だからこのカンパニーの中で他の人と違った色、「伊阪達也色」を出せたらいいなぁ、って考えてやっています、呼ばれるからには。

「演ってるときに、新しい役を発見したい」

――― では、ここからは「西田さん」について色々お伺いしていきたいのですが、伊阪さんから見た、西田さんの印象などお聞かせ下さい。

伊阪  なんかもう僕、惚れちゃってるんですよね。「男が男に惚れる」ってあると思うんですよ、ホントに。だからもう、大好きで・・ちょっと女の気持ちになる時あるって言うか・・。

――― !?それは、もう「恋愛感情」に近いという・・?(笑)

伊阪  まず「本が美しい」。西田さんの書く作品は、「役者の心がすごく動く」んですよ。
普通は、(台本読んだ後、)お客さんの心震わせる為に、「ここはこういう感情で、こう持っていけたら良いな」って組み立てていくんですけど、西田さんの台本は、まず最初に役者が自然と受けるものが多い。僕、「役者が本当に思ったら、お客さんにも伝わる」って思ってるんですよ。そういう本を書く所が、ホントすごいんです。
あと、西田さんが前に、「ミザンス※4なんて誰でもつけれるからな」って言ってたんですけど、俺は「そんなことない」と思ってて。だって、西田さんのつけてくれる「大体の動き」、「人と装置も含めた配置」が決まった時のやりやすさって、半端ないんですよ。普通、ミザンスが決まってもがんじがらめで、「あー、ここ動けない」、「芝居しづらい」って思ったりして、やりながら自分が芝居できるように馴染ませていくことも多いんです。でも西田さんは、素直にお芝居をしやすい環境を作ってくれる。だから勿論、心も動きやすいし、思いっきりお芝居ができる。あれは、「誰でもできないこと」ですよ。

――― 今、仰った「思いっきりお芝居ができる」ということについても、より詳しくお聞かせいただけますか?

伊阪  僕、演ってる時に、新しい役を発見していきたいんですよね。例えば、すごい絶望的な台詞を言われた時に、ただ単に「ここは絶望する感情の役だ」じゃなくて・・、本当にその場に生きてたら、色んなことを考えちゃう気もするんです。だから舞台上でも、・・勿論その表現は、「日常」じゃなくて「舞台の表現」としてやるんですけど・・、なんかわかんないけど、クルクル回ってる照明とか見て、「きれいな照明だな」って思ってもいいというか。人間て割と「そんなもんだ」って。その場で生きてて、想定外の感情が動くことって「全然有り」だと思っていて。 それを素直にやらせてくれるのが西田さんなんですよ。そんなこと「有り」なんだって、教えてくれました。「思いっきりお芝居していい」んだよって。
で、西田さんの現場では、そんな僕を周りが助けてくれるって分かってるから、何も怖いことなく、そのまんま「アンテナ100」でそこに居られるんです。例えば良子さんとかは、逆に10割その役でぶつけてくるから、それで僕が受け取るものもあったりして。
そんな信頼感はここの人たちしかいなくて。だから僕、皆に甘えまくってるんですよ。(笑)それはそれで良くないとは思うってるんですよ、だからこそ僕もしっかりしたいです!

――― それでは、次に今回の公演、達也さんがご出演される『GOOD-BYE JOURNEY』に関してもお伺いしたいのですが・・

伊阪  皆、結構「初めて」と言ってましたけど、僕、文音ちゃんとは一度舞台で共演したことがあるんです。で、その彼女が今回「ジャンヌ・ダルク」を演じるって聞いた時に、「ぴったりだな」と思いました。彼女は「凛」としていて、「芯は強そうだけど、実際話してみると可愛い」感じで。理想の「戦う女」が出来そうだなって。そこがまず楽しみですね。

――― 今回の意気込みなど・・達也さんらしく、誰か「噛み付きたい」・・「負けたくない」と思っている方などあれば、是非お応答え下さい!(笑)

伊阪  あんま言いたくなかったんだけどなぁー。いただく役も違うし、一つの作品に似たような役なんていないから、アレなんですけど・・・。
「(中村)誠治郎さんに負けたくない」。(笑)
先輩なんですけど、負けたくない!同級生にヨッチ(平山佳延さん)とかもいるんですよ。でもヨッチは俺とは「色」も全然違うってのもあるから・・、

――― 中村誠治郎さんは、「色はちょっと違うけど、同系色」という感じでしょうか?

伊阪  ちょっとそんな気がします。(笑)いや勿論、僕は誠治郎さんにいっつも甘えてさせてもらってるんです!カッコいいし、立ち回りも上手いし。たくさん皆に与えてくれて、一緒にやっててホント楽しい人。それが悔しいから「俺も誠治郎さんを、震わせたい!」って。(笑)

――― (笑)答えにくい質問にご回答ありがとうございます!

「解散!!!」

――― それでは最後の質問になるんですが・・。今回の企画のインタビューで他の皆さんにもお伺いした質問です。
もし、この「DisGOONie」の「船」を任されたとしたら。「DisGOONieの船長」になった時に、達也さんだったらそれぞれ何をしますか?または何をしたいですか?

伊阪  ・・僕「船長」出来る器じゃないんですよ、そもそも。先頭に立って皆を引っ張るってタイプじゃないんです。西田さんが「船長」で、目指してる方向にでっけぇ宝物があると思って乗ってる船だから、西田さんが降りたら、皆てんでバラバラですよ、それは。(笑)だから、各々好きな船にまた乗るしかない。まぁ、そんなことだけは避けたいですね。「僕が船長だったら?」っていう想像すら出来ません!

――― 申し訳ございません。皆さんにご回答いただいておりますので(笑)・・それでも任されたとしたら、いかがでしょうか?

伊阪  それでも任されたら!?・・それはもう、「解散!!!」って宣言しますよ。(笑)
で、頑張って皆が「次に乗る船」を手配して、それぞれの「船」に振り分けて、皆がちゃんと生きていけるようにします。(笑)中にはもう「船乗らない」って奴もいるだろうし。
だって僕は連れて行けないですもん!全然方角わかんないし。(笑)
ただ、「船」にも色んな人がいるじゃないですか?「帆を張る人」もいれば、「進路を決める人」、「海図書いてる人」とか。で、「船長」がいる。とか。僕は、任された役割を、「それだけは負けたくない」って思うタイプだから、それはちゃんとやります。
でも「船長」は無理!だって、「役者の仕事じゃない」ですもん、「船長」は。(笑)

  1. 舞台『戦国BASARA2』<構成・演出・振付 西田大輔>。2012年5月上演。
  2. Office ENDLESS produce vol.15『RE-INCARNATION RE-VIVAL』2014年12月~1月上演。
  3. DisGOONie presents vol.1『From Chester Copperpot』。『The Tempest』、『Cornelia』、『New World』の3本立てで2015年11月上演。
  4. 映画・演劇用語で、役者の立ち位置や、舞台装置の位置なども含めた「全体の配置」を示す。

© 2017 DisGOONie inc. All Rights Reserved